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wit(機知)に富んだ言葉、”fairy tale”

fairy(形容詞)は「妖精の、優美な、架空の」という意味。そして、tale(名詞)は「話、物語」。fairy taleで「おとぎ話」という意味を成す。

西洋では、古くから、「紳士」(gentleman)は、単に、上辺だけ礼儀正しく振舞うだけでなく、「“淑女”(lady)に対して夢を与え、その夢を叶える器量を備えている」ということが“紳士の嗜み”として捉えられている。

例えば、結婚という行為が、実際は“非現実的”、且つ、“夢のまた夢”の関係である男女。しかし、その男女は、お互い、情熱的に愛し合っている。そこで、ある日、女性が男性に、”I’d like you to love me forever.”(ずっと私のことを愛していて欲しいの)と哀しげに囁く。

男性は、”What would you like me to do for us?”(どうして欲しいんだ)と女性に尋ねると、女性は、目に涙を浮かべて、”I’d like a fairy tale.”(”fairy tale”が欲しい)と答える。

この会話のやり取りにおけるfairy taleとは、「おとぎ話」というよりは、「あなたとずっと一緒にいたい」ということ。これはつまり、「あなたと結婚したい」という“熱情ある願望”を包含するものである。

このことは、古典主義を批判し近代擁護の立場を採ったフランスのペロー(Charles Perrault, 1628-1703)の童話、「シンデレラ」(Cinderella)のストーリーを連想することにより、これを「機知(wit)に富んだお洒落な表現の味わい」として理解することができよう。

英語表現におけるエレガンスは、まさに「機知が醸し出す“優美な余韻”(graceful reverberation)」によっても作り出されることがわかる。